「巨乳の誕生」公式ブログ

安田理央・著「巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか?」(太田出版)の公式ブログです。

「巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか?」

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巨乳?ボイン?デカパイ?

以後、おっぱいについて語る者は、この本を避けて通ることはできないだろう。

「おっぱい」はいつから性器になったのか。巨乳愛の虚実を谷間に探る!都築響一(編集者)

いつの時代でも大きなおっぱいが好まれていたわけではない。70年代にはユニセックスで華奢な体つきこそがファッショナブルであり、80年代のAV業界でさえも胸の大きなAV女優は人気を得ることができなかった。ようやく「巨乳」という言葉が誕生し、一般的に普及したのは1990年頃になってから。それまでは「ボイン」「デカパイ」「Dカップ」などと呼ばれていた。江戸時代から開国、敗戦、経済成長を経て現在、社会の「大きなおっぱい」の受け止められ方は、時代を反映して変わっていく。なぜ変わっていったのか。その理由と全貌をあきれるほどの調査で明らかにした革命的論考。

 

「序章 原宿に日本初の巨乳専門ショップがあった」がこちらから読めます。

 

目次

●はじめに

●序章 原宿に日本初の巨乳専門ショップがあった
原宿に巨乳ファンの憧れの地があった
巨乳、特撮、プロレスが同居するショップ
淀川長治の弟子が始めた巨乳メーカー
巨乳フェチAV第1号『淫乳』
初の巨乳専門AVメーカーの誕生
マニアのための店「ヴイ・レックス原宿」
ヴイ・シー・エーの失速と終焉

●第一章 巨乳をめぐる世界史
「巨乳」は古代から求められていたのか
コルセットからブラジャーへ
男性の興味は脚から胸へ
拡大するグラマー幻想
巨乳崇拝者ラス・メイヤー
グラマーの失墜と復権
豊胸手術の発展と破綻
整形巨乳があふれたアメリカのヌード

●第二章 おっぱいは性的対象ではなかった
なぜ春画では乳房が描かれなかったのか
日本人にとって裸体は顔の延長だった
男性も女性も肉体は同じ?
愛撫されなかった乳房
おっぱいを表現する言葉は「乳」のみ
貧乳が美人の条件だった
巻き起こった裸体画論争
禁じられた裸体
腰巻事件が浮きぼりにしたもの

●第三章 グラマーの襲来
肉体女優の出現
日本初の巨乳アイドル
国産肉体女優たち
グラマーという表現
巻き起こるグラマー・ブーム
日本流グラマー= トランジスタ・グラマー

●第四章 ボインの時代 ナインの時代
若者向け雑誌の登場とグラビアの隆盛
ボインの誕生
ボインの語源
ボインが注目された1967年
胸の大きなナオンは時代遅れ?
胸の大きい女性は頭が悪いという神話
清楚な女の子は胸が小さいはず?
コイン、ナイン、ペチャパイ
グラビアアイドルの元祖、アグネス・ラム
麻田奈美、リンゴヌードの衝撃
オナペットと呼ばれた巨乳たち

●第五章 デカパイからDカップへ
巨乳専門誌『バチェラー』の誕生
デカパイという表現
ビニ本の人気は「素人」っぽさ
AVユーザーは胸に興味がない?
初の「巨乳AV」が発売
ジャンルとなった「巨乳AV」
巨乳はDカップと呼ばれた
男女のカップ表記に対する温度差
Dカップ京子、デビュー!
Dカップ女優たち
グラビアアイドル第1号・堀江しのぶ
漫画へ波及したDカップ
なぜ「Dカップ」だったのか?

●第六章 巨乳の誕生
松坂季実子の衝撃
AV業界に吹き荒れた巨乳ブーム
「巨乳」はいつ生まれた言葉か
そして「巨乳」は成長した
毎月1日は巨乳の日
堀江しのぶを継ぐもの
伝説の眼帯ブラ
そしてグラビアの時代へ

●第七章 それは爆乳と呼ばれた
驚異の104センチIカップ
季実子もケイもかなわない
タイタニック・ティナの幻
爆乳とプランパー
マニア化する巨乳
次々と登場する爆乳女優たち
爆乳化するグラビアアイドル

●第八章 21世紀の巨乳たち
ダブル専属デビューした超大型新人・麻美ゆま
もはや特殊ではなくなったHカップ
爆乳着エロアイドルのAV侵攻
非現実的なまでのナイスバディ女優たち
微乳の誕生
微乳の魅力とは何か?
史上最も売れた巨乳
TOEIC990点の爆乳女優
妄想が実体化していく時代

●おわりに

●巨乳年表 1871〜2017

●参考文献一覧

価格

1600円+税

判型

四六判

ページ数

288ページ

ISBNコード

9784778316051

搬入年月日

2017.11.17
※各書店・ネット書店により、購入可能となる日は異なります。

週刊ポストに特集記事掲載

本日発売の週刊ポスト1月26日号に「巨乳の誕生」をベースにした8ページの特集「巨乳の世界史」が掲載されています。

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本書では掲載できなかったレア画像もふんだんにあり、いわば「巨乳の誕生」の副読本的な特集となっています。ぜひ、ご覧下さい!

神保町 書泉グランデさんの店頭ディスプレイに「巨乳の誕生」が

神保町の書泉グランデさんの店頭ディスプレイが、この年末年始は「巨乳の誕生」になっております。靖国通りに面した店頭に堂々と巨大な「巨乳の誕生」の文字があると、なんだか少し申し訳ないような気持ちになります(笑)。

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「巨乳の誕生」出版記念イベントやります。

安田理央の新刊「巨乳の誕生」太田出版)と、監修をつとめた原寸大おっぱい図鑑 Ecstasy」一迅社)の発売を記念して、爆乳女優たちと、日本の巨乳について真面目に考えるあの即ソールドアウトイベントが渋谷に降臨!

「巨乳の誕生 vol.1 やっぱりおっぱいがいっぱいすぎ!」

11/26 渋谷LOFT9 OPEN 18:00 / START 19:00

今年の3月5月8月とネイキッドロフトロフトプラスワンで行ったイベント「おっぱいがいっぱいすぎ!」シリーズの続編的な位置づけとなっております。

【出演】安田理央(アダルトメディア研究家)、Hitomi(Oカップ女優)、塚田詩織(Jカップ女優)、葉月美音(Iカップ女優)、白石弘(「バチェラー」編集長)、須崎祐次(「原寸大おっぱい図鑑 Ecstasy」カメラマン)、前田絵莉香(「原寸大おっぱい図鑑 Ecstasy」編集者)

巨乳の誕生 vol.1 やっぱりおっぱいがいっぱいすぎ! – LOFT PROJECT SCHEDULE

 

予約はこちらから!

eplus.jp

『巨乳の誕生』序章 原宿に日本初の巨乳専門ショップがあった(全文公開)

 

●原宿に巨乳ファンの憧れの地があった

 

 80年代、まだ「巨乳」という言葉が一般的ではなかった時代に「胸の大きな女性を愛好する男性たち」が憧れていた店があった。しかも原宿駅のすぐ近くという場所だ。
 それが「ヴイ・レックス原宿」である。オープンは1985年の12月。原宿駅竹下口から線路沿いに代々木方面に歩いてすぐの雑居ビルの2階にその店はあった。当時の原宿は若者文化のメッカであり、若者向けの商売をやっている人間なら誰もが出店したがるであろう絶好のロケーションだ。
 そんな場所に、日本初の巨乳AV専門ショップ、ヴイ・レックス原宿はあったのだ。
 当時、巨乳好きならば必ず読んでいたのが大亜出版(現・ダイアプレス)が発行している『バチェラー』という雑誌だった。80年代末に巨乳ブームが訪れる前から、海外モデルを中心に巨乳グラビアを前面に押し出した誌面で、巨乳ファンの心を掴んでいた。
 その『バチェラー』に毎号広告を出していたのが「東宝ファミリークラブ」(TFCファミリークラブ)という通販会社であった。和物洋物を問わず巨乳モデル出演のAVをずらりと並べたカタログ的なその広告の下欄にはいつも「Dカップビデオならヴイ・レックス原宿」と店舗告知が掲載されていたのである。ちなみに、当時は巨乳のことを「Dカップ」と表現することが多かった。
 小林ひとみ黒木香といったスターがデビューし、AVがようやくアダルトメディアの王座へ登りつめようとしていた時期である。レンタルビデオ店が一万店を超えるほどに盛り上がっていたとはいえ、まだまだメディアとしては未成熟であり、ジャンルの細分化も進んでいなかった。マニアックなジャンルが「フェチ」という言葉によって一般化するのは90年代に入ってからの話だ。
 そんな時代に巨乳専門のAVショップが既に誕生していたのである。日本最初のフェチショップと言ってもよいだろう。
 もちろん巨乳ブームも到来する前だ。巨乳をテーマにしたAVも少ない。そんな時期に巨乳AVばかりを集めたショップが原宿にあるのだと『バチェラー』の広告を見て知った全国の巨乳ファンは、一度は足を運んでみたいと熱望したのである。そこは正に巨乳ファンの憧れの地であった。
 AV情報誌『オレンジ通信』(東京三世社)の1990年2月号にヴイ・レックス原宿の1989年12月期のAV売上ベスト10が掲載されている。

1位「Fカップ・エンジェル/スーザン」(フェニックス)
2位「SEXと巨乳とビデオテープ/加山なつこ」(EVE)
3位「巨乳みだら舞/松本鈴音」(志摩ビデオ)
4位「巨乳みだら吊り/深田みき」(志摩ビデオ)
5位「エデンの淫獣/樹まり子」(ウルトラD)
6位「変態バスト100/真咲乱」(VCA)
7位「あぶないデカパイ/麻宮千聖」(アリスJAPAN)
8位「胸騒ぎの瞬間/羽田りえ」(新東宝
9位「乳姦/真咲乱」(VCA)
10位「極上の妻たち/庄司みゆき」(VIP)

 ヴイ・レックス原宿では、巨乳モノ以外のAVも扱っていたが、ランキング入りしているのは、見事なほどに全て巨乳モノ、あるいは巨乳女優の出演作である。
 ヴイ・レックス原宿は、確かに巨乳ファンの集う店だったのだ。

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